消費者金融のカードローンでキャッシングをしていて、返済が難しくなったら、どうなると思いますか?
「アッチ系の人が家に押しかけてくる」「怖い取り立てがある」など、督促に対するイメージは様々かもしれません。
しかし現在では、過激な取り立ては禁止されているため、過度におびえる必要はないのです。今回は消費者金融が行っている、督促の実態について知っておきましょう。
元消費者金融の督促部署にもいた私が、解説していきます。
消費者金融の督促に怖いイメージがあるのはドラマの見過ぎ!?
「借金を返せないと怖い人が家に来る」「身ぐるみを剥がされてヒドイ目に遭う」なんて恐ろしいイメージを持っている人もいるかもしれませんね。
しかし、強引な取り立ては、ドラマや小説の中のみで行われていることです。実際にはないので、まずは安心してください。ここでは、その理由について解説します。
怖い取り立てをしていたのは昔の話
一昔前は、厳しい取り立てがあった時代もありました。しかしそれは、消費者金融が「サラ金(サラリーマン金融)」と呼ばれていた頃の話です。
戦後は法律も整っていたかったため、消費者金融によっては109%を超える年利が設定されていたことも!現在が最高でも年20%なので、まさに5倍もの利子を取っていたのです。
また貸金業法もなかったので、強引な督促も実際に行わていました。その時代背景がのちにマンガや映画化され、「消費者金融の督促は怖い」というイメージに繋がったと考えられます。
現在では過激な取り立てや督促は法律違反になる
当時の消費者金融は暴利だったため、返済できない人が続出しました。この事態を重く見た国が貸金業法や出資法を改正し、消費者金融問題は徐々に落ち着いていきます。
今までは、主に上限金利の引き下げメインの改正でした。しかし、いよいよ督促に対する改正が行われます。それが2010年の改正貸金業法です。
改正貸金業法では、消費者金融の過激な取り立てを禁止しました。もし行った場合は、罰則や業務停止に追い込まれます。そのため現在では、消費者金融から怖い取り立てを受けることはありません。
ただし、これはあくまで貸金業法に従って営業している金融機関の話です。闇金や個人間融資などはルールに従わないことも。そもそも闇金は違法なので、絶対に利用しないようにしましょう。
消費者金融は家にまで取り立てに来るの?
消費者金融が強引に家まで来ることはほとんどありません。家に来るのは、よっぽど連絡が取れない場合や、話し合いの場を設けたい時に限られます。
なぜなら督促は、貸金業法第21条第1項「取立行為の規制」によって厳しく禁止されているため。
なので「夜中にいきなりインターフォンを連打される」「ドアを激しく叩いて罵声を浴びせる」などはドラマや映画の中だけです。
現在では債務者の家に行くことはほとんどなく、「返済する気がない」と判断され次第、法的手続きに入ることが多いです。
返済できない人の家に行っても、人件費や交通費が無駄になります。淡々と法的手続きに移行する方が、消費者金融にとってもコスパがいいからです。
消費者金融の督促の流れ
消費者金融の督促は、主に電話やメール・手紙で行われます。ヤバイ順番に並べるとすれば、手紙>電話>メール、といったところでしょうか。ここでは消費者金融が行っている督促の手順を見ていきましょう。
まずは電話でゆるく督促が来る
利用者からの返済が確認できなかった場合、まずはメール、もしくは電話で連絡が入ります。これを一時督促と呼ぶことも。
一回目の滞納は「うっかり忘れてしまった」という人も多いため、督促は緩いことが多いです。電話も社員ではなく、一時督促専門の派遣社員が行っていることもあります。督促電話を受けた後に、すぐに支払えば問題なく、信用情報に影響はありません。
家族に督促の電話が入ることはあるの?
督促の電話は基本的に本人の携帯電話に入ります。しかし何度かけても繋がらない場合は、自宅や職場に連絡が入ることもあるので注意しましょう。
消費者金融の場合、家族に借金の督促をすることはありません。なぜなら家族は保証人でもなんでもないからです。自宅に電話をする際にも、オペレーターの個人名で電話をするため、消費者金融からだとバレることはほぼないでしょう。
しかし何度も電話が入ると家族から不審がられる可能性があります。なるべく無視をせず、電話に出るか、早めに折り返すのが無難です。
電話を無視すると督促状が来る
消費者金融からの電話を無視し続けると、督促状が届きます。督促状には支払期日や返済金額が記載されているので、早めに振り込めばセーフです。
もし返済が難しいなど、事情がある場合は、早めに消費者金融に電話で相談しましょう。よく「叱られるのでは?」と考え、無視する人がいますが、不安になることはありません。
返済が厳しい時は必ず相談!
消費者金融からすれば、「返済できない」といった相談は日常茶飯事なんです。担当者はプロなので、一番ベストな方法をアドバイスしてくれます。督促状を無視すると、そのまま法的手続きに入る可能性もあるので、早めに連絡しましょう。
内容証明が届く
督促状を無視し続けると、内容証明書が届きます。内容証明書には、「これ以上無視するなら、法的手続きに入る」といった旨が書かれています。
つまり訴えられる一歩手間であると理解しましょう。
引っ越しすれば消費者金融の督促から逃げられる!?
「引っ越しすれば住所が分からないから、消費者金融の督促から逃げれる?」と思っていませんか?実はそれは、甘い考えなのです。
手紙があて先不明で戻ってくると、消費者金融は市区町村に住民票の開示請求を行います。住民票を移していれば、引っ越しをしても居場所がバレるため、督促は続くのです。
信用機関に金融事故情報が登録される
「電話も手紙も反応がない」「返済もない」となれば、次は信用機関への金融事故情報の登録が行われます。
信用情報に傷がつくことになるため、今後他の消費者金融はもちろん、住宅ローンやカーローンからもお金が借りられない可能性が。人生的に様々な影響が出るため、延滞や滞納を放置するのはやめたほうがいいでしょう。
放置すると最悪訴えられる
電話や督促状・内容証明書を無視した場合、最終的には法的な手続きに移行します。法的措置とは、法に基づき財産や給料の差押がされることです。
特に給料の差押をされた場合、勤務先に借金の滞納を隠すことはできません。最悪、今の会社にいづらくなる可能性も考えられます。
差押とは?
差押は債権者が裁判所を通じて、債務者の財産から換金できそうなものを売り払い、返済に充てる方法です。差押対象となるものは、「動産」「不動産」「債権」の3つとなり、例えば現金や車・骨董品や貴金属・機械・有価証券(株券、手形、小切手など)が当てはまります。
消費者金融からの督促を止める方法 4つ
消費者金融から督促を受けると、不安になりますよね。しかし督促を止める方法がないわけでもありません。
ここでは消費者金融の督促を止める4つの方法をご紹介します。現在督促を受けている人も、そうでない人も是非参考にしてください。
滞納分を全て返済する
消費者金融の督促を止める一番手っ取り早い方法は、借金を完済することです。もし臨時収入などで一括返済ができそうであれば、清算してしまいましょう。ただし完済額は利息の関係で毎日変わるので、返済の前に消費者金融に確認してください。
利息だけでも払う
「月々の返済が難しい…!」と感じたら、利息だけでも支払えないか消費者金融に相談してみましょう。利息さえ払えば、督促が止まることも多いです。ただし利息だけ払い続けても、元金は減りません。そのため借金が終わらないことを覚えておきましょう。
分割にできないか消費者金融に相談する
「月に○○万円くらいなら払えそう」という状況の場合、消費者金融に分割にできないか聞いてみましょう。月々の支払額を少なくすることで、無理なく返済する作戦です。とにかく少しでも払う意思を見せることが、督促を止めることに繋がります。
専門家に債務整理を依頼する
「もうどうにもならない!」と追い詰められたら、最悪の選択をする前に専門家に相談しましょう。弁護士や司法書士に債務整理を依頼すれば、督促は止まります。専門家は法テラス(代表電話:0570-079714)でも紹介可能です。
まとめ
現代では消費者金融が怖い督促や取り立てをすることはありません。しかしその代わり、法的手続きに入るのが早くなりました。
「気付いたら給料が差し押さえされていた…」なんて事態にならないよう、「返せない!」と感じたら早めに相談することが大切です。