こんにちは、メンタル心理カウンセラーの下村さきです。
少しだけ、自己紹介させてください。
私は、2012年に恋愛エッセイストとしての活動を開始し、そのことをきっかけに数多くの恋愛相談を受けるようになりました。そこで、改めて2013年から恋愛デトックスカウンセラーとしても活動するように。
2017年、カウンセリングのクライアントにもっと安心して相談してもらうため、また幅広い解決方法を探るために、メンタル心理カウンセラーの資格を取得。現在は、他に、上級メンタル心理カウンセラー、家族療法カウンセラー、チャイルドカウンセラー、行動心理士の資格も取得しており、認定心理士の資格も取得中です。
ギャンブルでの借金は自己破産できない
この記事を読んでいる多くの方は、ギャンブルで借金を抱えて困っているのではないでしょうか。
自分ではもうどうにもならない……「この借金は返せない。。もう、自己破産できないだろうか?」と、考えてるかもしれません。
でも、実はギャンブルで借金している場合の多くは、自己破産ができないのです。
世の中には、様々なギャンブルが存在します。
パチンコにパチスロ、競馬、競輪、競艇。FXや仮想通貨を「ギャンブル」とみなす専門家もいます。FXや仮想通貨は物理的にお金を動かすわけではなく、画面上で金額の上がり下がりが発生するので、前述したパチンコやスロットなどとは少し色合いが異なるかもしれません。
FXや株と違って、パチンコやパチスロ、競馬などは少額から取引が可能です。
ですから、始めるとき、まさか自分が借金をすることになるとは思っていない人がほとんどでしょう。
これがギャンブルの怖いところですが、気づいたときには借金が膨らみ、自分の意思でギャンブルをやめられない状態になっていることが多いのです。
借金をして生活している人の多くが、消費者金融やクレジットカードのキャッシング、カードローンなどからお金を借りています。
資金繰りができなくなり、滞納となり、それによってひどい督促が始まります。
この段階まできて、「自己破産しよう」と思う方が多いと思いますが、前述したようにギャンブルでの借金の場合、裁判所から自己破産許可がおりないのです。
では、どうしたら良いのでしょうか。
ギャンブルの借金の任意整理は可能
ギャンブルによる借金の自己破産は、ほぼできません。
しかし、ギャンブル借金の任意整理は可能です。
詳しく見ていきましょう。
自己破産は、すべての謝金の返済を免除してもらうこと。
任意整理は、借金の返済額を減らしてもらって完済を目指す手続きのことです。
自己破産であれば、許可が下りれば借金から解放されるので、「任意整理だと、借金の返済額が減るだけなんだ……」と、ガッカリするかもしれません。
しかし、メリットもあります。
任意整理は、自己破産と違って裁判所を通さない手続きなので、周囲に借金の事実を知られないでできるのです。
完済は大変かもしれませんが、完済後、これまでの人間関係が壊れたり、周囲からの信頼を失ったりすることなく普通の生活に戻れるのは、大きなメリットだと思います。
ただし、あまりに借金額が多かったり、滞納期間が長くなったりすると、手続きに進めないこともあるそうです。
もし、ギャンブルによる借金の返済に悩んでいるのなら、少しでも早く専門家に相談し、借金の整理をすることをオススメします。
ギャンブルにハマる人の心理状態
前述したように、パチンコやパチスロ、競馬などは、少額からギャンブルできるというのが大きな特徴です。
その中でも、パチンコやパチスロは、「機械を相手」にするので、ある程度長いスパンで行うと、「勝ち」と「負け」を繰り返すことができるのです。
このとき、「勝ち」と「負け」が、勝ち金額>負け金額もしくは勝ち金額=負け金額になれば、総合して問題ないのですが、勝ち金額<負け金額になってしまうことが問題です。
そして、このギャンブルの「たまに勝てる」特徴こそが、ギャンブルにハマってしまう心理に深く影響しているのです。
心理学的に様々な面から語られますが、一つには「部分強化」というものがあります。
働きかけに対して必ず報酬が出ることを「連続強化」と言い、このとき人は(というよりも動物全般)喜んで働きかけをするようになります。
しかし、報酬が出なくなると、途端に働きかけをやめてしまうのです。
そして、「部分強化」とは、ランダムに報酬が出ること。
いつ出るかわからないので、働きかけをやめることができないのです。
怖いことに、「部分強化」の効果は繰り返される期間が長くなればなるほど強くなると言われています。
ですから、ギャンブル歴が長い人ほどやめられなくなるのです。
また、「損失回避」という心理も深く影響します。
これは、人の「無意識に、得することよりも損することを避けようとする」という性質のことです。
ですから、ギャンブルで負けている状態のとき、「もう少しやって、損がなくなるのを待とう」と、「もう少し、もう少し……」を繰り返してしまうのです。
その借金、ギャンブルだけですか?
ギャンブルをして勝った経験のある人なら、「勝ったときに幸福感」「勝ったときの興奮」を一度は感じたことがあるのではないでしょうか。
人は嬉しいとき、喜ばしいことがあったとき、脳内に「報酬系」と言われるドーパミンという物質が分泌しています。
ギャンブル=報酬と紐づいてしまうと、その快感を得るためにギャンブルにますますハマっていくという状況が起こりえます。
ギャンブル依存症になりやすい人は、普段の生活の中で人からの信頼や期待に応えられていないのでは……と思い悩む真面目な人に多いと言われています。
ギャンブル以外でそうした快感が得られるのであれば、依存症になるほどハマってしまわないのでは?と、考えられているからです。
仕事や家庭において、自分の活躍できる場所がない……そんな風に感じてしまっている人は、ギャンブル以外でも浪費癖があることがあります。
たとえば、高級なものを買って快感を得る、キャバクラやホスト、クラブなどでお金を使うことでちやほやされる……こうしたことが癖になっていないか、一度考えてみましょう。
ギャンブル以外にも浪費癖があるならそこも見直そう
もし、自分の生活を振り返ってみて、ギャンブル以外にも浪費癖があるのなら、まずはそれを見直しましょう。
その際、どうして浪費してしまうのか、どんな状況で浪費してしまうのかを一緒に考えると、具体的な解決策につなげやすいです。
これまでの自分の生活全般を振り返って、詳しい状況を自分で把握していくことが大切です。
ギャンブルでの借金の解決方法
「ギャンブルでの借金をなんとかしたい」と言うと、多くの人は「だったら、まずはギャンブルをやめろ!」と言われてしまうのではないでしょうか。
ですが、それでギャンブルがやめられるのなら借金なんかしないでしょう。
つまり、「ギャンブルをやめる!」と決意して、ギャンブルをやめられるほど簡単なことではないのです。
また、「ギャンブルがなかなかやめられない」と一言で言っても、状態は人によってさまざまです。
ギャンブルに行かないことが実行できても、ギャンブルに通うことで落ち着いていた精神状態が逆に悪くなってしまうこともあるのです。
ですから、ギャンブルの借金を解決するにあたって、同時に自分自身がどのようにギャンブルから離れていくかということに真剣に向き合う必要があります。
このとき、大事なのは周囲の人の協力です。
お金の管理や状況把握を家族に頼み、「これまでは毎日1万円だったから、半分の5,000円に減らす」とか「毎日だったから、2日に1回に。2日に1回を4日に1回に減らしていく」など、回数や金額を徐々に減らすことを家族とともに明確にして実行していきましょう。
家族内で「こういうときは、どうしたら良いんだろう」と悩んだり、頼る家族がいない、などの場合は、心理カウンセリングを学び、カウンセラーとともに頑張ることも有効です。
問題行動を把握し、ギャンブル衝動を抑える技術を学ぶ「行動療法」や、「認知行動療法」といって、認知(ものの見方、考え方のくせ)を把握し、認知から行動を変えていくということを学び、ギャンブルから脱却することができるでしょう。
症状が重い場合には、薬物療法なども提案してくれると思います。
毎月の支出負担を減らすところから!
ギャンブル依存症に向き合いつつ、借金をなくす方法もまた努力が必要です。
前述しましたが、日々の生活が苦しいのなら、「任意整理」という手段があります。また、どこから借金をいくらしているのかを把握し、「低金利に借り換える」という手もあります。
借金がある状態だと、どうしても「この分をギャンブルで取り戻さなくては!」という気持ちになりがちなので、少しでも早く、そして楽に借金を返していくことを検討しましょう。
ギャンブルの借金から抜け出すためにも、毎月の支出負担を減らすことは重要です。
今すぐ、自分の借金状態を整理して、「任意整理」や「低金利に借り換え」ができないか確認してみましょう。